働き方改革に伴う労働基準法の改正により、法定時間外労働 の「限度時間」は、「1か月45時間及び1年 360時間」とされました。
臨時的に上記の「限度時間」を超えて労働 させる必要がある場合においても、法定休日 を含めて1か月100時間未満、1年720時間 以内、2~6か月平均80時間以内、月45時間 を超えるのは年6回までとする「上限時間」 が設けられました。 この「上限時間」の中小企業に相当する施 設(常用労働者100人以下)への適用開始は 2020年4月1日からです。
また、医師につい ても適用が猶予されていましたが、2024年4 月1日以降は、次のような「上限時間」が設 定されることとなりました。
①A水準…年間960時間以下。医療機関で 診療に従事する勤務医の時間外労働の原則 的な上限時間。
②B水準…年間1860時間以下。地域医療確 保暫定特例水準として医療機関を指定して 適用。
③連携B水準…年間1860時間以下。B水準 の中に、医師の派遣を通じて地域の医療提 供体制を確保するために必要な役割を担う 医療機関を指定して適用。
④C水準…年間1860時間以下。集中的技能 向上水準として、一定の期間集中的に技能 向上のための診療を必要とする医療機関を 指定して適用。規制の対象となる時間外労働時間には、副 業・兼業先での時間外労働時間が含まれるこ とに注意が必要です。
また、上記の基準の適用にあたっては、次 の追加的健康確保措置及び履行確保措置が義 務化されました。
ア)連続勤務時間制限・勤務間インターバル・ 代償休息 イ)面接指導実施医師による面接とその報告 および意見に応じた医療機関管理者による 就業上の措置 ウ)月155時間超となった場合の労働時間短 縮のための具体的措置 36協定の現様式では、以下の点が改正さ れています。 ①「延長することができる時間」欄の期間区 分を「1日」「1か月」「1年」に限定 ②「労働させることができる法定休日の日 数」欄を追加 ③特別条項」付き36協定を別様式に 特に以下の「特別条項の記載事項」を具体 的に記入してください。これを具体的に記入 しなかったために、36協定が労働基準監督署に受理されなかった、という事例があります。
①「限度時間を超えて労働させることがで きる場合」の具体的内容 ②「業務の種類」欄の、時間外労働等の必要 のある業務についての具体的内容 ③「限度時間を超えて労働させる場合にお ける手続」の具体的内容 ④「限度時間を超えて労働させる労働者の 健康・福祉確保措置」の具体的内容